鈴木 昭広 先生
(自治医科大学附属病院 麻酔科 365体育娱乐场7年度附属病院優秀指導医賞受賞)

今回、30年以上にわたる大学病院での教育生活を経ての『卒業』にあたり、教え子たちの投票によりこの栄誉をいただけたことを大変幸せに思います。私は麻酔科医を軸としながら、ドクヘリで赴くプレホスピタルからER、術中麻酔、術後ICU管理といった急性期医療から、ペインクリニックや緩和ケアまで、慢性終末期医療に至るまでシームレスに対応できる麻酔科医としての無限の可能性を追求してきました。
麻酔科研修は、麻酔科以外の医師にとってこそ重要な、自動車学校的存在です。たとえ1~2か月の短期間であっても、指導者のいる安全な環境で、医師として一生役立つルールやマナー、急性期の対応スキルを体得し、OR(手術室)外でも一人で患者を守る術を学べる、非常に効率のよい学びの場です。私は、患者を救うことよりも、まず守ることの重要性を伝え、将来の急変現場を意識して研修することの大切さを教えてきました。
みなさんが長い医師人生の中で、将来「あのとき麻酔科を回ってよかった」と振り返る日が来ると信じています。私は今後もCareneTVや、現在執筆中の書籍を通して間接的に教育を継続します。また、その内容は麻酔科学会が今年発刊予定の麻酔科研修者?指導者ガイドにも盛り込まれています。つまり、皆さんに伝えたことは全国のスタンダードとなるでしょう。次世代を担う皆さんの今後の活躍に、大いに期待しています。
神田 直樹 先生
(自治医科大学附属病院 総合診療内科 365体育娱乐场7年度附属病院優秀指導医賞受賞)

このたびは優秀指導医賞という栄誉ある賞をいただき、光栄に存じます。日頃より温かくご指導くださる諸先輩方、私自身に新たな気づきを与えてくれる若手医師の皆さんに、心より感謝申し上げます。
振り返れば、当院に着任して早いもので10年の月日が流れました。この10年という歳月の中で、我々を取り巻く環境は大きく変化しました。働き方改革は着実に浸透し、持続可能な医療提供体制のための病院経営の視点に触れる機会も増えています。
次の10年を考える上で、最大のトピックはAI(人工知能)でしょう。ほんの数年前、初代総理大臣の名前すら正確に答えられなかった存在が、今や事務作業や定型業務を代替し始め、私自身の日常生活や研究、臨床現場においても欠かせないパートナーとなりました。
今後「頭の中に知識がある」ことの価値が下がっていくことは間違いありません。しかし、だからこそベッドサイドで求められるのは、知識を繋ぎ、患者さんの文脈に合わせて判断する力です。患者さんやご家族が抱く思いを汲み、患者さんの状態や所見とエビデンスを組み合わせ、どのような医療を提供すべきか?時にしないべきか苦悩する。こうした臨床推論と意思決定のスキルこそが、今後ますます重要になっていくはずです。AIと共に臨床現場の未来がどのように切り拓かれていくか、私はとても楽しみです。日々患者さんと向き合い、若い皆さんと切磋琢磨し、共に成長していければと思います。
藤原 健史 先生
(自治医科大学附属病院 循環器内科 365体育娱乐场7年度附属病院優秀指導医賞受賞)

循環器内科の藤原健史と申します。この度は、優秀指導医賞を頂き、大変光栄に思います。
循環器内科学は非常に魅力的な学問です。心臓は全身の循環を司る臓器であり、心臓自体を診る必要もあれば、そこから四肢末梢の循環までも診る、まさに全身を包括的に診る学問だと思います。また、一元的に循環器内科学と言っても、心不全や虚血性心疾患、弁膜症、不整脈、高血圧といった多岐にわたる領域があり、それぞれに高度な専門性が求められます。自治医大循環器内科は各分野の第一線で活躍するスペシャリストが揃っており、体系的かつ実践的に学ぶことが出来ます。循環器内科学を専門とした一人の内科医として、心臓を中心に全身を診て、一人一人の患者の病態に迫り、そして最適な治療へと導けるのが循環器内科医の最大の魅力だと思います。また、動脈硬化性疾患が日本を含めた世界の死因の上位を占める未来は必ず訪れます。循環器内科は、目の前の患者の疾患を治療することも重要であるとともに、将来の疾病発症を予防するという重要な役割も担っております。過去のリスクを評価し、現在の病態を的確に制御するとともに、将来のイベント発症リスクを減らす役割を果たすのが循環器内科医です。多分野に渡って、これからますます循環器内科医の必要性が高まってくると思います。少しでも循環器内科に興味があれば、気軽に相談に来てください。
研修医時代は、医師としての基盤を築く極めて重要な時期です。知識や技術の習得は不可欠ですが、それ以上に日々の様々な経験を通じて多様な価値観を学び、そして人間的に成長していくことが求められます。忙しい日々ですが、何事にも恐れずチャレンジして、様々な経験を積んでいってください。また、常に「世界を意識する視点」も忘れないでください。世界には多様な人種?文化があり、私たち日本人はその中の小さな一人種に過ぎません。世界では日々情報がアップデートされ、医学の分野でも新たなエビデンスが世界中から発信されています。若い先生方には世界に羽ばたく大きな可能性があります。グローバルな視野を持ち、自らの限界を決めずに、広い舞台に挑戦するチャンスを貪欲につかみ取ってください。
自治医大での研修を経て、多様性に柔軟に対応し、確かな実力と豊かな人間性を兼ね備えた医師へと成長されることを心から期待しています。
吉成 裕紀 先生
(自治医科大学附属病院 小児科 365体育娱乐场7年度附属病院優秀指導医賞受賞)
この度は優秀指導医に選出していただき、ありがとうございます。
私は小児科血液班で、小児がんや小児の血液疾患?免疫疾患の診療に携わっています。専門的な分野であるため、私自身もまだまだ学ぶことが多く、指導医の先生方にいつもやさしくご指導いただいています。学んだことを少しでも研修医の先生方に還元したいと思っている中で、今回このような賞をいただくことができました。血液班をはじめとする小児科の先生方に心から感謝いたします。
「医療はiPhoneのように日々進歩していくよ」と、私のチームについてくれた研修医の先生に話すことがあります。最近の電子機器やAIの進歩の速さには驚かされますが、医療の世界も同じで、10年前にはなかった薬が今では再発?難治性白血病の重要な治療薬になっていたり、免疫疾患の分野でも数年前には適応のなかった薬が臨床で使えるようになっていたりします。
医学は広くて深く、研修医の先生方は何をどこから勉強すればよいか迷うことがあると思います。日々進歩していく医療の世界で、知識や経験を増やしていくために大切なのは、目の前の患者さんに真摯に向き合うことだと思います。自分が経験した症例から学ぶことはとても多いです。研修医の先生方、ぜひ一緒に勉強しましょう!
田中 保平 先生
(自治医科大学附属病院 救急科 365体育娱乐场7年度附属病院優秀指導医賞受賞)

この度は、優秀指導医賞という栄誉ある賞をいただき、大変光栄に存じます。
このような貴重な賞をいただけたのは、救急科で日頃からともに学生や研修医の指導にあたっている先生方をはじめ、救急診療に関わる多くの皆様から温かいご支援をいただいているおかげです。この場をお借りして、心より感謝申し上げます。
私は、救急科での業務は医師としての基本を培う大切な場であると考えております。今後どの診療科に進んだとしても、総合病院で勤務する中では、当直などで専門外の疾患を有する患者さんを診療する機会があると思います。救急科は幅広い疾患を診療する機会がある診療科であり、私自身も日々学ぶことの多い環境です。時には、初期研修医の先生方の方が新しい知識をよく学んでおられ、私が教えていただくことも少なくありません。救急科でともに働く時間が、互いの得意分野を教え合いながら研鑽を積む機会になればと願っております。
また、救急科は院内急変患者さんへの緊急対応も担っています。患者さんの予期せぬ急変の場面では、どれほど経験のある医師であっても冷静な対応が難しくなることがあります。そのような時には、速やかに院内急変対応チームへ連絡し、関係するスタッフが連携しながら救命にあたることが重要です。日頃から職種や診療科の垣根を越えてコミュニケーションを重ね、円滑に協力できる関係を築いていくことが大切だと考えています。
救急科での研修は、単に疾患について学ぶ場にとどまらず、人との関わりや信頼関係の大切さを学ぶ機会でもあります。研修を通して、皆さんとともに成長し、その後の診療にもつながる実りある時間をつくっていければと思っております。
中山 龍一 先生
(自治医科大学附属病院 集中治療部 365体育娱乐场7年度附属病院優秀指導医賞受賞)
集中治療部(ICU)の中山龍一です。私は自治医科大学を卒業(39期)し、2025年度に赴任、研修担当を拝命いたしました。 メッセージとして、日頃感じていることを綴らせていただきます。
?初期臨床研修について
2年間の初期研修は、医師としての基本姿勢を養う期間であり、専攻医への大切な準備期間です。自分がこれからどのような人生を歩んでいきたいのか。今という時点から少し先を見据えて日々を過ごすことが、重要と考えています。
何より大切なのは、心と体が健康な状態でこの2年間を完遂することです。トレーニングとして自らに負荷をかける挑戦は素晴らしいことですが、どうか「自分の器」を壊さないように歩んでいただければ嬉しいです。
?指導者としてのあり方
研修医の皆様と関わる中で、私がずっと大切にしていることがあります。それは、自分が研修医だった頃の、今よりもずっと未熟だった時の感覚を忘れないことです。「今の自分」を基準に指導することは、前提を省略して「いきなり答えに辿り着け」と強いているようなものだと思うからです。 単に何でも肯定するわけではなく、一人ひとりの特性に寄り添い、私自身も初心を忘れずに関わっていきたいと考えています。自分のコピーを作るような指導ではなく、それぞれの強みを伸ばし、指導医をどんどん追い越していく、そんな姿を目指してサポートさせていただきます。
?ICU研修について
当院におけるICU研修は、急性期研修の一環として行われます。急性期の病態理解や緊急対応の引き出しを増やすことはもちろん、何より「人を呼ぶタイミング」と「誰を呼ぶべきかの判断」を学んでほしいと願っています。 選択研修でICUを志望される方や、後期研修の一環として来られる方には、より多くの手技や生理学に基づく深い病態理解を得られるよう、カリキュラムも日々アップデートしています。
最後に
働き方改革が進む中で、トレーニングの量と質を両立させるには、個々のモチベーションが不可欠です。適切な休養(そして栄養と運動)を取り、自分の仕事に意味を見出しながら、互いに学び高め合える関係でありたいと思っています。これからもどうぞよろしくお願いします。
大草 陽史 先生
(自治医科大学附属病院 産科婦人科 365体育娱乐场7年度附属病院優秀指導医賞受賞)

産婦人科の大草陽史と申します。この度は優秀指導医に選んでいただき大変光栄に思います。
科としては、2022年度から必修ローテートしてくる研修医を対象に"研修医レクチャー"を開始し継続中です。具体的には、研修第1週目に1時間半程度、NSTの読み方、胎児計測、婦人科救急を中心に講義と実技を織り交ぜながら行っています。
個人としては、ローテートしてくる先生に合わせてですが、産科診察、婦人科診察を実際に行ってもらっています。具体的には、産科では胎児推定体重の計測、分娩進行中の内診、会陰裂傷の縫合、帝王切開閉傷時の縫合など、婦人科では子宮頸がん検診、経腟エコーによる子宮、卵巣疾患の描出など、です。少しでも産婦人科に興味をもっていただければ、あるいは産婦人科診療の実際を感じ取ってもらえれば、と思っています。
自治医科大学は大学全体として、指導熱心なスタッフが多いと日頃から感じています。また、コメディカルの方々も親切な人が多く、診療?研究?教育のバランスの取れた機動力の高い病院だと思います。
自治医科大学での臨床研修をぜひご検討ください。一緒に研鑽できる日を楽しみにしています。