循環器センター内科部門(循環器内科)【アニュアルレポート】
1.スタッフ(2025年4月1日現在 派遣者除く)
| 科長 | (教授) | 苅尾 七臣 |
|---|---|---|
| 副科長 | (教授) | 新保 昌久 |
| 医局長 | (准教授) | 原田 顕治 |
| 外来医長 | (講師) | 小形 幸代 |
| 病棟医長 | (講師) | 大場 祐輔 |
| (教授) | 今井 靖 | |
| 星出 聡 | ||
| (准教授) | 甲谷 友幸 | |
| (講師) | 小森 孝洋 | |
| 渡部 智紀 | ||
| 桂田 健一 | ||
| 上岡 正志 | ||
| (助教) | 清水 勇人 | |
| 横田 彩子 | ||
| 渡邉 裕昭 | ||
| 小古山由佳子 | ||
| 石山 裕介 | ||
| 藤原 健史 | ||
| 冨谷奈穂子 | ||
| (病院助教) | 久保田香菜 | |
| 鈴木 悠介 | ||
| 小林 久也 | ||
| 奥山 貴文 | ||
| 佐藤 雅史 | ||
| 齋藤 俊祐 | ||
| 藤村 研太 | ||
| シニアレジデント | 14名 |
2.診療科の特徴
社会の高齢化に伴い、循環器疾患、なかでも心不全の患者数は年々増加しており、「心不全パンデミック」とも称される深刻な状況にある。また、栃木県に特有の寒暖差の大きい気候は、心血管疾患の発症や増悪に関与し、救急搬送の一因となっている。
自治医科大学循環器内科には、栃木県内にとどまらず、茨城県、群馬県、埼玉県など隣県からも多くの紹介患者が来院しており、救急患者も多数を占める。2024年度の外来患者総数は、新患1,255人、再来27,359人、救急受診297人であり、多岐にわたる診療を担っている。
外来診療体制は、初診専門外来1診、一般再診外来3診、専門外来1~2診で構成される。専門外来には、高血圧、血管、不整脈、ペースメーカー?ICD、冠疾患、成人先天性心疾患、SAS(睡眠時無呼吸症候群)、弁膜症、肺高血圧の各外来が含まれる。
入院診療においては、循環器センターとして定床77床(うちCCU10床)に加え、センター外に20床を有しており、外科部門と連携した診療体制を構築している。入院患者の主な疾患は、急性心筋梗塞、心不全、不整脈であるが、近年では肺塞栓、慢性閉塞性動脈硬化症をはじめとする末梢血管疾患や血栓症の増加も認められる。
心臓カテーテル検査および経皮的冠動脈形成術(PCI)の施行件数は、北関東地域においても高水準であり、外科的治療と並ぶ治療成績を維持している。特に末梢動脈に対する血管形成術は著しく増加しており、良好な治療成績を収めている。
心不全診療においては、薬物療法の適正化に加え、運動?食事?生活指導を多職種と連携して実践している。また、両室ペーシング機能付きペースメーカー(CRT)や植込み型除細動器(CRT-D)、皮下ICDも適応を慎重に判断しながら導入している。
カテーテルアブレーションにおいては、心房細動に対する肺静脈隔離術の件数が増加しており、全アブレーション症例の約半数を占めている。クライオバルーンを用いた肺静脈隔離術を積極的に取り入れ、安全性の確保、手技時間の短縮、治療効果の向上を図っている。
ペースメーカー植込みではMRI対応機種を標準とし、リードの留置部位は右室中隔を第一選択としている。また、リード抜去術も必要に応じて安全に施行している。弁膜症治療では、経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)に加え、2024年5月より経カテーテル的僧帽弁接合術(MitraClip)も導入された。マルチスライスCTによる非侵襲的冠動脈評価は術後フォローにも有効性を示しており、冠動脈バイパス術後の評価にも広く活用されている。さらにMRIを用いた特殊心筋疾患の描出にも注力している。成人先天性心疾患センターの患者数も増加傾向にあり、今後は地域連携を一層強化し、栃木県南部および茨城県西部地域を中心とした包括的な循環器診療体制の構築を目指していく所存である。
認定施設
- 日本内科学会認定施設
- 日本循環器学会認定循環器専門医研修施設
- 日本老年医学会認定老年病専門医認定施設
- 日本心血管インターベンション治療学会研修施設
- 日本高血圧学会専門医認定施設
- 日本不整脈心電学会認定不整脈専門医研修施設
- 経カテーテル的大動脈弁置換術実施施設
- 日本心エコー図学会認定エコー図専門医研修施設
- 成人先天性心疾患専門医総合修練施設
- トランスサイレチン型心アミロイドーシスに対するビンダケル導入施設
- 経皮的僧帽弁接合不全修復システム実施施設
- パワードシスによる経静脈的リード抜去術施設
認定医?専門医
| 日本内科学会認定総合内科専門医 | 苅尾 七臣 他18名 |
|---|---|
| 日本内科学会認定内科専門医 | 鈴木 規泰 他1名 |
| 日本内科学会認定内科指導医 | 苅尾 七臣 他31名 |
| 内科認定医 | 苅尾 七臣 他31名 |
| 日本循環器学会専門医 | 苅尾 七臣 他30名 |
| 日本高血圧学会専門医 | 苅尾 七臣 他2名 |
| 日本心血管インターベンション治療学会専門医 | 船山 大 他2名 |
| 日本心血管インターベンション治療学会認定医 | 船山 大 他14名 |
| 日本不整脈学会専門医 | 今井 靖 他6名 |
| 植込み型除細動器(ICD)治療認定医 | 今井 靖 他4名 |
| ペーシングによる心不全治療(CRT)認定医 | 今井 靖 他4名 |
| 日本超音波学会認定超音波専門医 | 原田 顕治 他2名 |
| 日本周術期経食道心エコー認定医 | 石山 裕介 他1名 |
| 日本心エコー図学会心エコー図専門医 | 原田 顕治 他1名 |
| 日本心エコー図学会SHD心エコー図認証医 | 原田 顕治 他1名 |
| 日本脈管学会認定脈管専門医 | 小形 幸代 |
| 日本臨床遺伝専門医 | 今井 靖 |
| 心臓リハビリテーション指導士 | 星出 聡 他1名 |
| 日本プライマリケア連合学会認定指導医 | 石山 裕介 |
| 成人先天性心疾患学会認定専門医 | 今井 靖 他1名 |
| 日本老年医学会老年科専門医 | 星出 聡 |
| 経カテーテル的大動脈弁置換術指導医 | 船山 大 |
| 経カテーテル的大動脈弁置換術実施医 | 大場 祐輔 他1名 |
| 日本集中治療医学会 集中治療科専門医 | 齋藤 俊祐 |
3.診療実績?クリニカルインディケーター
1)新来患者数?再来患者数?紹介割合
| 新来患者数 | 1,255人 |
|---|---|
| 再来患者数 | 27,359人 |
| 紹介率 | 112.6% |
(紹介割合は、平成26年4月施行の医療法に基づく特定機能病院として算出した)
2)入院患者数
入院患者数 1,902人
平均在院日数 9.4日
3)急性心筋梗塞(AMI)171名
(発症24時間以内 149名)
病院到着から再灌流までの時間(Door to ballon time) < 90分達成率 67%
4)病名別入院患者人数(主病名での抽出) 2024年
| 分類 | 病名 | 患者数 |
|---|---|---|
| 心不全 | 心不全 | 241 |
| 虚血性心疾患 | 虚血性心疾患 | 51 |
| 急性心筋梗塞 | 165 | |
| (24時間以内のAMI発症) | 149 | |
| 陳旧性心筋梗塞 | 101 | |
| 狭心症 | 354 | |
| 無症候性心筋虚血 | 35 | |
| (CABG術後) | 19 | |
| 弁膜症 | 僧帽弁疾患 | 32 |
| 大動脈弁疾患 | 105 | |
| 三尖弁閉鎖不全症 | 0 | |
| 弁膜症その他 | 3 | |
| 先天性心疾患 | 心房中隔欠損症 | 17 |
| 房室中隔欠損症 | 2 | |
| 動脈管開存症 | 1 | |
| 先天性心疾患その他 | 7 | |
| 心筋症 | 拡張型心筋症 | 8 |
| 肥大型心筋症 | 2 | |
| 閉塞性肥大型心筋症 | 1 | |
| たこつぼ型心筋症 | 1 | |
| 心サルコイドーシス | 12 | |
| 心アミロイドーシス | 9 | |
| 不整脈 | 洞不全症候群 | 6 |
| WPW症候群 | 3 | |
| ブルガダ症候群 | 10 | |
| 徐脈頻脈症候群 | 10 | |
| 房室ブロック | 40 | |
| 心室細動?心室頻拍 | 50 | |
| 心房細動?心房粗動?心房頻拍 | 295 | |
| 上室性頻拍症 | 32 | |
| 心室期外収縮 | 11 | |
| Pacemaker?ICD交換 | 50 | |
| Pacemaker?ICD植え込み後感染症 | 19 | |
| 不整脈その他 | 6 | |
| 感染症 | 感染性心内膜炎 | 12 |
| 心筋炎?心膜炎 | 心筋炎 | 6 |
| 心タンポナーデ | 1 | |
| 急性心膜炎 | 4 | |
| 収縮性心膜炎 | 1 | |
| 心膜液貯留 | 8 | |
| 血管?血栓症 | 解離性大動脈瘤 | 30 |
| 肺塞栓症 | 20 | |
| 肺高血圧症 | 12 | |
| 肺動脈性肺高血圧症 | 6 | |
| 閉塞性動脈硬化症 | 55 | |
| 血管?血栓症その他 | 5 | |
| その他 | 肺炎(COVID-19含む) | 8 |
| 蘇生に成功した心停止 | 7 | |
| 腎不全 | 6 | |
| 心臓腫瘍 | 1 | |
| 深部静脈血栓症 | 6 | |
| 脳梗塞 | 2 | |
| 高血圧緊急症 | 1 | |
| 敗血症 | 0 | |
| 上記以外 | 32 | |
| 合計 | 1,902 | |
5)治療実績
1.冠動脈インターベンション
PCI 470件
2.カテーテルアブレーション
322例
6)死亡退院症例病名別リスト
| 病名 | 人数 |
|---|---|
| 急性心筋梗塞 | 7 |
| 心不全 | 13 |
| 肺塞栓 | 1 |
| 不整脈 | 1 |
| その他 | 114 |
| 合計 | 36 |
7)主な検査?処置?治療件数
①カテーテル検査?治療
心臓カテーテル検査 1,749件
(含:緊急カテーテル)(321件)
| PCI | 470件 |
|---|---|
| AMI?UAP | 211件 |
| Rotablator/OAS/ELCA/IVL | 5/7/13/38件 |
| IVUS/OCT | 445/174件 |
ECMO(体外式膜型人工肺) 29件
IMPELLA(補助循環用ポンプカテーテル) 15件
TAVI(経カテーテル大動脈弁置換術) 50件
MitraClip?(経皮的僧帽弁接合不全修復術) 6件
カテーテルアブレーション 322件
(内訳) ※重複あり
| ※心房細動 | 227件(うち、85件がクライオバルーン) |
|---|---|
| 心房粗動?心房頻拍 | 71件 |
| 上室性頻拍 | 35件 |
| 流出路起源期外収縮?心室頻拍 | 14件 |
| 左室起源特発性心室頻拍 | 1件 |
| 心室頻拍(器質的心疾患に伴うもの) | 7件 |
※心房細動(肺静脈隔離:症例により三尖弁下大静脈峡部、上大静脈隔離を追加)
末梢血管疾患のカテーテル治療 69病変(64症例)
| 大動脈腸骨動脈領域 | 25病変 |
|---|---|
| 大腿膝窩動脈領域 | 30病変 |
| 下腿動脈領域 | 7病変 |
| 腎動脈領域 | 6病変 |
| その他(静脈系) | 0病変 |
| その他(動脈系) | 1病変 |
(IVC filter 挿入4件)
②CT?核医学検査
マルチスライスCTによる心臓(冠動脈)診断 660件
心臓PET-CT 52件
心臓MRI 215件
心筋シンチ 542件
| テクネ負荷心筋(合計) | 337件 | |
|---|---|---|
| (運動負荷) | (143件) | |
| (薬剤負荷) | (195件) | |
| 安静タリウム心筋 | 3件 | |
| 心筋(タリウム+BMIPP) | 25件 | |
| BMIPP心筋シンチ | 0件 | |
| MIBG心筋シンチ | 130件 | |
| 安静テクネ心筋 | 4件 | |
| 心筋ピロリン酸シンチ | 42件 | |
③デバイス関連手術
デバイス植込み?交換 182件
| ペースメーカー | 新規 61 | 房室ブロック | 36 |
|---|---|---|---|
| 洞不全 | 13 | ||
| 徐脈性AF | 12 | ||
| 交換 44 | 房室ブロック | 33 | |
| 洞不全 | 10 | ||
| 徐脈性AF | 1 | ||
| リード再固定 | 2 | ||
| リード抜去 | 8 | ||
| ICD/CRT | 新規植込み 31 | ICD植込み (うちSICD 8件) |
19 |
| CRT-D,?P植込み | 7 | ||
| ICM植込み | 5 | ||
| 交換 34 | ICD交換 | 19 | |
| CRT-D,-P 交換 | 15 | ||
| リード抜去 | 2 | ||
新規合計 92件、交換合計 78件、その他 2件、抜去 10件
④生理機能検査
トレッドミル負荷試験 74件
| 循環器内科(外来) | 60件 |
|---|---|
| 循環器内科(入院) | 2件 |
| 他科 | 12件 |
心肺運動負荷試験(CPX件数) 122件
| 循環器内科 (外来) | 49件 |
|---|---|
| 循環器内科 (入院) | 72件 |
| 他科 | 1件 |
心臓エコー検査 7,982件
| 循環器内科 | 心外+他科 | 合計 | |
|---|---|---|---|
| 外来 | 4,244件 | -件 | 4,244件 |
| 入院 | 3,359件 | 379件 | 3,738件 |
| 総合計 | 7,603件 | 379件 | 7,982件 |
(経食道エコー 227件)
Holter心電図検査 1,589件
| 循環器内科(外来) | 1,002件 |
|---|---|
| 循環器内科(入院) | 115件 |
| その他 | 472件 |
late potential検査 38件
| 循環器内科(外来) | 22件 |
|---|---|
| 循環器内科(入院) | 16件 |
| その他 | 0件 |
⑤リハビリテーション
心臓リハビリテーション 7,412件
8)カンファレンス?教授回診?抄読会 水 8:00~14:00
(Clinical Update Conference、Clinical Report Conference)
on-lineも利用したハイブリッド開催(12:30~13:15)
- 1月10日 年頭のご挨拶(苅尾七臣教授)/働き方改革のスタートに向けて(医局長?病棟医長)
- 1月17日 「臨床研究を通じて心臓突然死を減らす!」石見 拓教授(京都大学)
- 1月24日 薬剤説明(DPP4阻害薬からの切り替えについて)/「ACHDの診療とFontan循環」関 満先生、甲谷友幸先生
- 2月7日 薬剤説明(PCSK 産生阻害薬)/ヘリポート運用のご講演、見学ツアー 救急医学米川先生
- 2月14日 日循第271回関東甲信越地方会予演 比企穂乃佳先生?木下真緒先生
- 2月21日 働き方改革に関する説明会 病院総務課
- 2月28日 薬剤説明(核酸医薬)/研修報告 佐藤雅史先生
- 3月6日 日循予演会(4演題)/送別会?壮行会
- 4月3日 三玉唯由季先生 論文紹介/第121回 日本内科学会予演 J2 中田翔太先生
- 4月10日 MitraClip症例検討会 佐藤雅史先生/新年度のご挨拶(苅尾教授)/新入局員?派遣復帰?留学帰国医師 歓迎会
- 4月17日 薬剤説明(選択的SGLT2阻害薬)/経営改革課説明会
- 4月24日 製品説明(Heartnote)/桑原政成先生(公衆衛生学教室)のご講演
- 5月8日 薬剤説明(鉄欠乏性貧血治療剤)/留学報告会(藤原健史先生)
- 5月15日 薬剤説明(糖尿病治療薬)/ガイドライン解説「遺伝的検査と遺伝カウンセリングに関するガイドライン」今井 靖先生
- 5月22日 講演「心筋再生医療の最先端の研究?臨床応用」福田恵一先生
- 5月29日 日循 第272回関東甲信越地方会予演 J2中嶋雄大先生
- 6月5日 日循 第272回関東甲信越地方会報告会 J2 菅又瑞生先生/第696回内科学会関東地方会予演 J2 相馬 瞬先生
- 6月12日 循環器内科 まるごと相談会
- 6月19日 第52回下野循環器研究会
- 6月26日 薬剤説明(経口GLP-1受容体作動薬)/ガイドライン解説「多様性に配慮した循環器診療ガイドライン」桑原政成先生
- 7月3日 薬剤説明(肺高血圧治療薬)/学位審査報告会(Web)佐野厚生総合病院 鳥海進一先生
- 7月10日 薬剤説明(非ステロイド型選択的ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬)/ガイドライン解説「フォーカスアップデート版 不整脈治療」上岡正志先生
- 7月17日 東邦康智先生(心血管?遺伝学研究部)のご講演
- 7月24日 薬剤説明(帯状疱疹ワクチン)/第32回日本心血管インターベンション治療学会学術集会予演 鈴木規泰先生
- 7月31日~8月14日 休会
- 8月21日 腎デナベーションについて 桂田健一先生、小古山由佳子先生
- 8月28日 日循 第273回関東甲信越地方会予演(9/7)J2 縣 侑子先生
- 9月4日 日循 第273回関東甲信越地方会予演(9/7)J2 窪田那々子先生、M6 高橋 慧さん
- 9月11日 薬剤説明(肥満症治療薬)/ESC参加報告会
- 9月18日 休会
- 9月25日 薬剤説明(GIP/GLP-1受容体作動薬)/第72回日本心臓病学会学術集会予演 渡辺直生先生
- 10月2日 薬剤説明(高尿酸血症治療薬)/第28回日本心不全学会学術集会予演 小森孝洋先生
- 10月9日 第64回日本心血管インターベンション治療学会 関東甲信越地方会予演(10/12)佐藤雅史先生/「MitraClip最近の話題」佐藤雅史先生
- 10月16日 薬剤説明(漢方薬)/第64回日本心血管インターベンション治療学会 関東甲信越地方会報告会 森田愛理先生
- 10月23日 休会
- 10月30日 第46回日本高血圧学会総会参加報告会
- 11月6日 薬剤説明(高カリウム血症改善薬)/AHA予演 平田悠翔先生、渡辺直生先生
- 11月11日 第13回 TIJ Network Meeting(Web)
- 11月13日 AHA予演 藤原健史先生
- 11月20日 休会
- 11月27日 AHA参加報告会/第53回下野循環器研究会
- 12月4日 日本内科学会第701回関東地方会 予演(12/14)J1髙野大河先生
- 12月11日 日循 第274回関東甲信越地方会予演(12/14)小淵雄大先生
- 12月18日 パルスフィールドアブレーションの勉強会 渡部智紀先生
- 12月25日 休会
合同カンファレンス
- 心カテカンファ 月~金 9:00~9:30(循環器内科?看護師?臨床工学士?放射線技師)
- 心不全多職種カンファ 月 17:30~(循環器内科?看護師?理学療法士?臨床心理士?栄養士?薬剤師?保健師)
- 不整脈カンファ 月 18:00~(循環器内科?臨床工学士)
- SDHハートチームカンファ 火 16:00~(循環器内科?心臓血管外科)
- 血管カンファ 火 18:00~(循環器内科?心臓血管外科)
- 成人先天性心疾患カンファ 水 18:00~(循環器内科?小児先天性心臓血管外科?小児科)
- カルディアックカンファ 木 7:45~8:30(循環器内科?心臓血管外科?小児科)
- ブレインハートミーティング 月1回 木 17:00~(循環器内科?神経内科?小児科)
4.2025年の目標?事業計画等
- 心疾患治療部の今年度の目標としては、3つのカテーテル室を有効に活用し、質の高い診療体制の維持と発展を図ることにあります。具体的には、①急性冠症候群に対するdoor-to-balloon時間90分以内の安定的な達成、②poly-vascular diseaseを背景とした全身血管への包括的インターベンション体制の構築、③TAVI症例の蓄積とMitraClip導入に伴う構造的心疾患治療の拡充を通じて、地域連携と治療成績の向上を目指します。今後も、他施設で対応困難な重症例を積極的に受け入れ、「最後の砦」としての役割を果たしてまいります。
- カテーテルアブレーションにおいてカテーテルアブレーションの古典的適応疾患(発作性上室性頻拍症、心室頻拍症など)の症例数を維持しつつも、需要が著増している薬剤抵抗性発作性?持続性心房細動が大半を占め年々症例数は増加している。新しい治療機器を活用しつつ安全かつ治療成績の向上を図り、肺静脈隔離術の症例数を重ねており、再発回避率(初回治療)が発作性75-80%、持続性60%と好成績である。2025年2月より心筋組織に対して選択的に影響を与えるパルスフィールドアブレーションシステムを導入し、より安全性の高い肺静脈隔離術手技がさらに短時間で施行可能となった。高密度3次元マッピングを活用しつつ難治性不整脈(陳旧性心筋梗塞、2次性心筋症に伴う心室性不整脈、心臓術後症例)に対して心外膜からのアプローチを含め積極的に取り組んでいる。近年増加する成人先天性心疾患の関連した頻脈性不整脈に対しても最新の解像度の高い3次元マッピングを用いて複雑な頻拍回路の同定が可能となり、積極的にアブレーション治療を進めてきた。また小児循環器科と連携を行い、小児頻拍性不整脈に対するカテーテルアブレーション治療も行っており、いずれも良好な成績が得られている。年々増加する心房細動治療に応えるべく、今後、より一層安全かつ確実なカテーテルアブレーション治療実績を重ねていきたい。
- 植え込みデバイスについて、ペースメーカーはMRI対応機種を原則とし、適宜リードレスペースメーカーの手術も行っている。カテーテルデリバリーシステムを用いた刺激伝導系ペーシングに取り組んでいる。またICD、CRT-Dといったハイパワーデバイスについては県内における中核施設として症例数を維持しながら遠隔管理システムを活用したデバイス管理を行っている。ペースメーカー、ICD、CRT合わせて150例程度の手術を安全に行いながら、集積されたデータベースを活用して学術活動を推進していきたい。また、レーザーシースを用いたリード抜去や、皮下型除細動器(S-ICD)の手術も引き続き行っていく。植え込み型ループ心電計(ILR/ICM)も引き続き神経内科と連携し、植え込みを積極的に進めている。
- 心臓超音波検査は、循環器診療において欠かすことのできない基本的かつ重要な検査である。当科では、各疾患や病態に応じて、より精密な「構造的評価」および「血行動態評価」を目指し、複雑化する心疾患に対する治療方針の決定や治療効果の判定において、中心的な役割を果たすことを目指している。とりわけ、経食道心エコーにおける3D解析、ストレインイメージング、負荷心エコー法を用いた心機能評価を、日常診療においても積極的に活用していきたいと考えている。また、経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)および経カテーテル的僧帽弁接合術(MitraClip)の術前評価、術中モニタリング、術後評価においても心エコーは不可欠であり、今後もハートチームの一員として積極的に関与していく所存である。このように、心臓超音波検査には、時代の進展とともに一層高度な専門知識と技術が求められている。当科では、心臓血管外科との合同カンファレンスを通じた情報共有や、若手医師を対象とした定期的な勉強会を継続し、医局全体の技術?知識の底上げを図っていく。
- 核医学検査部門は負荷試験を合併症無く安全に行うことを第一の目標とする。虚血をより明確に鑑別するために、負荷試験は充分な運動量を行い、目標心拍数到達だけではなく心筋酸素消費量と良く相関する、収縮期血圧と心拍数による二重積(Doubleproduct)25,000以上の到達を目安にする。テクネシウムによるQGSシンチグラフィをルーティン化し、左室容量や駆出率、位相解析、負荷時の一過性虚血性内腔拡大(TID)を客観的に評価し、シンチが苦手とする多枝病変の検出力を高め、虚血評価の精度のさらなる改善を目指す。また、TlとBMIPPのdual SPECTによる冠攣縮や微小循環障害に起因する虚血や二次性心筋症の評価、MIBGによる心筋交感神経障害評価を活用した心不全の重症度評価や心不全死および重症不整脈のリスク層別化、心不全治療効果の判定、さらにピロリン酸シンチによる心アミロイドーシスの診断や、FDG-PETを用いた心サルコイドーシスや炎症性心疾患の診断も引き続き積極的に行い実績を重ねる。
- 心臓CT検査では、心拍数コントロールによる被ばく低減、冠動脈病変の質的評価のさらなる向上に努める。また、大動脈弁狭窄症などの心構造疾患(structural heart disease)の評価において、治療手技と連動した精度の向上を目指す。心臓MRI検査では、心機能解析、心筋障害の質的診断、さらに成人先天性心疾患の病態評価に積極的に活用する。
- 心臓リハビリテーションでは、循環器内科疾患から心臓外科手術後の症例も多く導入することが出来、延べ件数として8,000件/年を超えることができた。医療側の認知度も高まってきたことがうかがえる。来年度以降も、心不全予防外来などと連携し、QOLの改善や再発予防に努める。
- 心不全患者や虚血性心疾患、治療抵抗性高血圧に合併する睡眠呼吸障害のスクリーニングを積極的に行う。心不全治療としての陽圧治療を積極的に導入し、心不全のQOL、予後の改善を目指す。
- 高血圧に関しては、以前より高血圧専門外来を設置している。特に治療抵抗性高血圧の症例に対しては、近い将来臨床現場に導入される腎デナベーション治療に向けて、看護師、栄養士、薬剤師など多職種と連携し、高血圧腎デナベーション治療(HRT:Hypertension Renal Denervation Treatment)チームを立ち上げている。
- 成人先天性心疾患センターとしては、ASD、PDA、PFO閉鎖についてはCVITの施設認定を受け、新たな術者の育成を進めていく。また、ファロー四徴症術後に対する経カテーテル的肺動脈弁置換術(TPVI)の導入を視野に、トレーニングを進める。神経内科?心臓血管外科?小児科とブレインハートチームを継続し、PFO閉鎖、ILR植え込み、左心耳閉鎖など脳梗塞予防を横断科で取り組む。Fontan術後患者の肝障害や門脈肺高血圧症(POPH)の診断?治療について消化器内科と連携して進めている。
- 心不全治療に関しては、ARNI、SGLT-2阻害薬、イバブラジンを加えたOMTを確実に行うことに取り組んでいる。HFrEFに対しては、Fantastic fourの導入を標準とし、HFpEFに対してはSGLT-2阻害薬、MRAの導入を徹底している。心不全治療の非薬物治療の必要性は明らかに増し、心移植を念頭に置いたLVAD症例が増加してきている。高齢者心不全の増加、終末期心不全への対応も課題となっている。心不全診療にかかわる多職種、地域医療を支える実地医家、介護サービスとの連携が必要であり、多職種で一丸となって取り組んでいる。心不全を既に発症した患者だけでなく、心不全予備群に対する取り組みを進めていかなくてはならない。
