循環器センター外科部門(心臓血管外科)【アニュアルレポート】
1.スタッフ(2025年4月1日現在)
| 科長 | (教授) | 川人 宏次 |
|---|---|---|
| 副科長 | (教授) | 北村 律 |
| 病棟医長 | (講師) | 阿久津博彦 |
| 外来医長 | (講師) | 楜沢 壮樹 |
| 医員 | (助教) | 上杉 知資 |
| (病院助教) | 土井 真之、堀越 崚平、森山 航、山本 美葉、菅又 瑞生 | |
| 兼務 | (教授) | 岡 徳彦 (とちぎ子ども医療センター) |
| (学内教授) | 木村 直行 (冠動脈集中治療部) |
|
| (准教授) | 荒川 衛 (血管内治療部) |
2.診療科の特徴
心臓血管外科学教室では原則として循環器センターで高校生以上、子ども医療センターで中学生以下の患者さんを対象として診療している。循環器センターでは弁膜症、虚血性心疾患、急性大動脈解離、大動脈瘤、成人先天性心疾患、閉塞性動脈硬化症などを中心として診療し、とちぎ子ども医療センターでは新生児を含めた先天性心疾患を治療の対象としている。
とちぎ子ども医療センター分を含めた心臓血管外科分野の総手術件数は625件であった。本欄では循環器センター(小児/成人先天性を除く)での実績のみを詳記する。循環器センターでの開心術?胸部大動脈手術は270件で、腹部大動脈瘤や末梢動脈の手術などを含めると2023年1年間の総手術件数は510件であった。
循環器センターとして、内科医師との連携を強化し同一病棟で有機的?効率的に診療している。また術前術後症例を中心として循環器内科医師?小児科医師や臨床工学士を含めて合同カンファランスを行っている。さらに循環器センターとしては、弁膜症症例での心エコーカンファランス、血管内治療症例を中心とする血管カンファランス、虚血性心疾患症例を中心とする心臓カテーテルカンファランスをそれぞれ担当する内科?外科医師間で定期的に開催して症例を検討している。また胸部や腹部大動脈瘤治療でのステントグラフト治療を積極的に行っている。ステントグラフト等の血管内治療は105件(胸部25件、腹部65件、追加治療15件)であった。
施設認定
- 日本外科学会外科専門医制度修練施設
- 日本胸部外科学会認定医認定制度指定施設
- 三学会構成心臓血管外科専門医認定機構認定基幹施設
- 日本成人心臓血管手術データベース機構認定施設
- 関連11学会構成ステントグラフト実施規準管理委員
- 会認定ステントグラフト実施施設
- 下肢静脈瘤に対する血管内レーザー治療実施施設
- 植込型補助人工心臓実施施設
指導医?専門医?認定医
| 日本心臓血管外科修練指導医 | 川人 宏次 |
|---|---|
| 北村 律 | |
| 岡 徳彦 | |
| 木村直行 | |
| 荒川 衛 | |
| 日本胸部外科学会指導医 | 川人 宏次 |
| 北村 律 | |
| 岡 徳彦 | |
| 日本心臓血管外科専門医 | 川人 宏次 |
| 岡 徳彦 | |
| 木村 直行 | |
| 村岡 新 | |
| 友保 貴博 | |
| 荒川 衛 | |
| 楜沢 壮樹 | |
| 阿久津博彦 | |
| 日本外科学会指導医 | 川人 宏次 |
| 日本外科学会専門医 | 川人 宏次 |
| 北村 律 | |
| 岡 徳彦 | |
| 木村 直行 | |
| 荒川 衛 | |
| 楜澤 壮樹 | |
| 阿久津博彦 | |
| 上杉 知資 | |
| 日本血管外科学会認定血管内治療医 | 荒川 衛 |
| The Asian Society for Cardiovascular and Thoracic Surgery | 川人 宏次 |
| 荒川 衛 | |
| 植込型補助人工心臓実施医 | 川人 宏次 |
| 北村 律 | |
| 胸部ステントグラフト実施医?指導医(TALENT Thoracic Stentgraft、Gore TAG Thoracic Endoprosthesis, Variant Captiva, Relay Plus) | 荒川 衛 |
| 腹部ステントグラフト実施医?指導医(Zenith AAA Endovascular Graft, Gore Excluder Endoprosthesis, Powerlink Stentgraft System, TALENT Abdominal Stent Graft, Endurant Stentgraft System, AORFIX AAA Stentgraft System) | 荒川 衛 |
| 下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術実施医 | 荒川 衛 |
| 楜沢 壮樹 | |
| 阿久津博彦 | |
| 上杉 知資 |
3.診療実績?クリニカルインディケーター
1)新来患者数?再来患者数?紹介割合
新来患者数 302人
再来患者数 3,819人
紹介率 124.7%
2)入院患者数:総数550例
3)手術術式別件数
3)-1 成人先天性心疾患
(とちぎ子ども医療センターで報告)
3)-2 後天性心疾患
3)-2-a.弁膜症手術 156例
| 弁置換術 | 71例 |
|---|---|
| 弁形成術 | 23例 |
| 複合手術 | 12例 |
| カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI) | 50例 |
3)-2-b.虚血性疾患 26例
| 単独冠動脈バイパス術 | 26例 (複合手術12例は弁膜症に分類) |
|---|---|
| 心筋梗塞合併症手術 | 2例 |
3)-2-c.胸部大動脈疾患 82例
| 大動脈解離 | 44例 |
|---|---|
| 真性瘤(開胸手術) | 10例 |
| ステントグラフト治療(胸部) | 25例 |
| 大静脈 | 3例 |
3)-2-d. その他の心臓手術 6例
(補助心臓、心臓腫瘍等)
3)-3 末梢血管 223例
3)-3-a.
| 腹部大動脈瘤(開腹) | 28例 |
|---|---|
| (血管内治療 EVAR) | 69例 |
| (血管内治療 コイリング等) | 15例 |
3)-3-b.末梢動脈手術 61例
3)-3-c.静脈瘤 38例
3)-3-d.透析用シャント 2例
3)-3-e.その他 10例
総手術件数の年次推移
心臓胸部大血管手術の年次推移
4)死亡症例?死因?剖検数?剖検率
(1)治療成績
| 弁膜症手術(TAVIを除く) | 1/106(0.9%) |
|---|---|
| 単独冠動脈バイパス術(緊急症例を含む) | 0(0%) |
| 急性大動脈解離(開胸手術) | 0(0%) |
| 胸部大動脈疾患 | 1/82(1.2%) |
(2)在院死亡症例
術後死亡症例の診断、術式および死因
- 80歳女性。透析患者。感染性大動脈瘤破裂で緊急腹部大動脈人工血管置換術を行った。十二指腸大動脈瘻による汎発性腹膜炎で死亡した。
- 55歳男性。大動脈基部置換術後吻合部仮性瘤に対して手術を行ったが、術後MOFで死亡した。
- 85歳男性。僧帽弁置換術、冠動脈バイパス術後に心不全で死亡した。
- 84歳男性。急性下肢動脈閉塞に対し、緊急血栓除去術を施行したが、術後脳出血で死亡した。
5)カンファランス?回診
(1)診療科;手術例、術前検査入院例、死亡例、合併症発症例を対象にカンファレンスを行っている。
(2)他科(循環器内科?小児科?臨床工学部など)との合同カンファランス;
手術適応例などを中心として術前術後カンファランス?心エコー検査カンファランス?血管カンファランス?心臓カテーテル検査カンファランスを開催し、各部署とのコンセンサスを得た治療を目指している。
(3)他職種との合同(臨床工学部?麻酔科);全手術例を対象として周術期の注意点を共有している。
(4)その他;随時、他診療科?他施設からの問い合わせやセカンドオピニオンに対応している。
(5)チャートラウンド;週1回、毎週火曜夕方に行っている。
(6)主治医らによる夕回診;休日を除く毎日
(7)TAVIカンファランス;隔週で1例/日のTAVIを行っており、毎週金曜日17:00に関係多職種でカンファレンスを開催している。
4.2025年の目標?事業計画等
1)内科?外科が同一病棟の循環器センターとして機能的に診療する。
2)診断から手術までの期間を短縮し、手術待機期間の短縮を目指す。
3)急性大動脈解離、大動脈瘤破裂などの循環器救急疾患に対し、迅速に治療できるシステムを構築し、緊急要請を断らない体制を作る。2024年後半から緊急手術の受け入れ体制が整い、胸部心臓大血管手術症例が20例増加した。2025年度は、さらに20例の手術症例増加を目指す。
4)今年度から、MICS(Minimally Invasive Cardiac Surgery: 低侵襲心臓手術)を本格的に行っている。今後は、Robot手術も実施できるよう準備中である。
