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薬剤部【アニュアルレポート】

1.スタッフ(2025年4月1日現在)

薬剤部長 今井  靖(薬理学講座 臨床薬理学部門?教授、副病院長)
副薬剤部長 中澤 寛仁
釜井 聡子(感染制御部兼務)
吉岡 崇幸
片野 昌宏(医療の質向上?安全推進センター兼務)
主任薬剤師 小倉 明子
大塚由紀子
荒川 祐輔
若林 宏海
稲見  薫(緩和ケア部兼務)
奥田 泰考(がんゲノム医療部? 臨床腫瘍部兼務)
小林  亮(医療情報部兼務)
遠藤 径世
薬剤師 92名(臨床研究?治験推進部11名および臨床薬理学教室1名、分子病態治療研究センター1名含む)
事務 1名
関係部署 北畠 智富(医療の質向上?安全推進センター専従)
大友 慎也(感染制御部専従)

2.薬剤部の特徴

薬剤部では、医薬品の調剤、供給管理、注射薬調製、製剤、情報提供、TDM(薬物血中濃度モニタリング)、病棟薬剤業務および服薬指導等を通じ、医薬品の安定供給と適正使用に貢献している。さらに、これらの業務を相互に連携させることにより、医薬品に係わるリスクの防止に努めている。

?施設認定

  • 日本臨床薬理学会認定薬剤師制度研修施設
  • 日本医療薬学会医療薬学専門薬剤師制度研修施設
  • 日本医療薬学会がん専門薬剤師研修施設
  • 日本医療薬学会薬物療法専門薬剤師研修施設
  • 日本薬剤師研修センター実務研修生受入施設
  • 日本薬剤師研修センター小児薬物療法認定薬剤師制度受入施設
  • 日本緩和医療薬学会緩和医療専門薬剤師研修施設

認定?専門薬剤師

日本臨床薬理学会認定CRC 9名
日本医療薬学会医療薬学指導薬剤師 1名
日本医療薬学会医療薬学専門薬剤師 2名
日本医療薬学会がん指導薬剤師 2名
日本医療薬学会がん専門薬剤師 4名
日本医療薬学会薬物療法指導薬剤師 1名
日本栄養治療学会栄養サポートチーム専門療法士 3名
日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師 4名
日本緩和医療薬学会緩和医療暫定指導薬剤師 1名
日本緩和医療薬学会緩和薬物療法認定薬剤師 2名
日本医療情報学会医療情報技師 2名
日本病院薬剤師会病院薬学認定薬剤師 20名
日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師 2名
日本病院薬剤師会認定指導薬剤師 1名
日本薬剤師研修センター認定実務実習指導薬剤師 8名
日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師 12名
日本薬剤師研修センター小児薬物療法認定薬剤師 2名
日本リウマチ財団登録薬剤師 1名
日本災害派遣医療チーム(DMAT)登録隊員 3名
日本アンチドーピング機構(JADA)スポーツファーマシスト 3名
日本臨床試験学会GCPエキスパート 1名
日本臨床試験学会GCPパスポート 1名
日本臨床試験学会がん臨床研究専門職 1名
日本循環器学会心不全療養指導士 3名
日本麻酔科学会周術期管理チーム薬剤師 3名
栃木県肝疾患コーディネーター 4名
日本パーキンソン病?運動障害疾患学会(MDSJ)パーキンソン病療養指導士 1名

3.実績?クリニカルインディケーター

1)業務内容

①外来?入院調剤業務

調剤部門では、入院患者および外来患者の処方薬?注射薬調剤を行っている。処方薬の外来調剤においては、職員診療において院外処方箋に移行したことで、院外処方箋発行率は2024年は平均92.4%と増加して、外来院内処方箋枚数は1日90枚程度に減少した。また、院外処方箋に対する疑義照会への対応においては、?院外処方せんにおける問い合わせ等の簡素化プロトコル?を当院と近隣/近県の保険調剤薬局間で締結を行い継続している。保険薬局からの報告書については、順次カルテに取り込みを行い、医師へ情報提供を行っている。

注射薬の調剤においては、入院患者に対する予定オーダーは全て調剤を行い、一部の病棟の臨時オーダーの調剤について24時間体制で継続している。外来患者の注射オーダーについては、抗がん薬に関しては全て調剤を行っているが、一般薬については一部の予定オーダーのみの調剤となっている。2024年1月にアンプルピッカーの更新を行い、入院に関して、順次、調剤数を増加させることで、薬剤師による処方監査体制の強化を図っている。

②製剤?医薬品調製業務

製剤?注射調製部門では予め使用頻度の高い薬剤の混合調製(一般製剤?無菌製剤)、医師からの依頼による特定の患者を対象とした市販されていない剤形や規格の薬剤調製(院内特殊製剤)、リスクの高い注射薬である抗がん薬やTPN(中心静脈栄養)の混合調製を行っており、現在は休日を含め院内で使用する抗がん薬の全ておよび予定オーダーのTPN調製は薬剤部で実施している。

2011年、日本核医学会ほか3団体の共同作業により「放射性医薬品取り扱いガイドライン」が作成された。薬剤部では、2012年6月から薬剤師による放射性医薬品の院内調製(99Mo/99mTcジェネレーターからの99mTcの抽出、テクネMAAキットおよびテクネフチン酸キットにおける99mTcの標識など)と管理を開始し、2019年には骨転移疼痛緩和剤メタストロン注も含めた放射性医薬品の管理と調製を実施している。

過去5年間における注射薬混合調製数
2020年 2021年 2022年 2023年 2024年
TPN(病棟/在宅) 1,859 2,533 2,898 2,793 3,853
抗がん剤(病棟) 11,136 11,171 10,518 10,937 11,227
抗がん剤(外来) 20,972 23,039 24,304 25,322 23,576
一般薬 (病棟/外来) 10,837 9,359 9,741 10,036 11,127
放射性医薬品 531 436 714 719 644

③医薬品情報業務

医薬品情報部門では院内の医師や他の医療スタッフからの医薬品に関する問い合わせに対応するとともに、医薬品の採用情報?安全性情報等医薬品の適正使用に必要な情報の医療従事者への提供、院内副作用報告の収集?管理等を行っている。また、医療情報システムにおける採用医薬品のマスタ管理、オンライン医薬品情報システムのメンテナンス等を行っている。さらに、薬事委員会の庶務を担当し委員会の適切な運営等に当たるとともに、2019年4月からは医薬品の適応外使用審査事務局も併設した。2022年4月より医薬品の適応外使用審査事務局は、医療の質向上?安全推進センターに移行したが、移行後も事務局と連携をとり申請案件の事前評価を行っている。なお、薬事委員会では厚生労働省の後発医薬品使用促進政策に基づき、2007年より後発医薬品の導入を開始し、継続して後発医薬品へ切り替えを行っており、後発医薬品数量シェア(置換え率)は、2021年度以降90%超を常に維持している。また、2021年より院内における標準的薬物療法実践のためのフォーミュラリー作成を開始し、10薬効群についてのフォーミュラリー作成を実施?院内に公開しているが、2023年から、新小山市民病院との合同フォーミュラリーの作成を開始した?

④診療支援およびTDM(薬物血中濃度モニタリング)業務

診療支援部門では入院患者に対し、入院時の持参薬確認や処方された薬の効能?効果や副作用、使用上の注意等を説明するとともに、副作用等の発現状況の確認や医薬品を使用する上での相談に乗る等の業務(薬剤管理指導業務)を行っている。2017年以降、病棟薬剤業務の実施に伴い、薬剤管理指導業務に係る件数が著減したが、2020年から薬剤管理指導に注力し、件数は大幅に増加した。また、ICU、CCU、PICU、ER? HCUなどの重症部門における医薬品の管理(調剤、処方監査?提案など)を行い診療に貢献している。病棟薬剤業務については2021年11月より再開した病棟薬剤業務実施加算I, IIの算定を維持?継続しつつ、2022年6月からは1病棟につき1名の担当薬剤師を配置し、病棟診療支援業務のさらなる充実を図っている。外来患者については薬剤師腫瘍外来を外来治療センター内に設置し、がん化学療法および緩和ケアを受ける患者への服薬指導等を継続している。また国立成育医療センターと連携し妊娠と薬外来を薬剤部?臨床薬理学部門の連携で2020年4月から運用?継続している。さらにTDM業務においては抗菌薬や移植患者に対する免疫抑制薬の個別投与設計支援を中心にテーラーメイド医療に貢献している。

過去5年間における薬剤管理指導業務量およびTDM実施数
2020年 2021年 2022年 2023年 2024年
病棟服薬指導患者数(人) 2,036 11,495 14,423 14,109 15,403
病棟服薬指導件数(件) 3,088 13,825 16,119 15,506 16,892
持参薬確認件数(件) 14,304 14,211 14,895 14,816 14,478
薬剤師腫瘍外来(件) 4,235 4,260 2,629 2,259 2,337
TDM実施件数(件) 1,156 1,998 2,245 2,427 2,317

⑤薬品管理業務

医薬品管理部門では院内で使用する医薬品の安定供給および病棟に在庫する医薬品の管理を行っている。2024年も出荷調整の薬剤が多種に渡ったが、医薬品情報部門と医薬品管理部門が協力し、医薬品の安定供給に寄与した。特に抗菌薬や局所麻酔薬に関しては、抗菌薬適正使用支援チームや各診療科との連携により、院内の使用薬剤の調整が可能となった。期限切迫医薬品や不動医薬品については、継続して自治医科大学附属さいたま医療センターとの連携を行っており、廃棄する医薬品の減少につながっている。また、RFIDを利用した医薬品専用保冷庫の継続使用により、一部の高額冷所医薬品などの在庫管理の適正化が図れることで、病院経営にも貢献した。

⑥子ども医療センター薬剤部

子ども医療センター内に薬剤室を設置し、外来患者からのお薬相談、入院患者に対する服薬指導や医薬品管理等、医療スタッフへの医薬品情報提供も行い、小児領域での薬物治療に貢献した。

2)業務実績(2023年1月~12月)

①外来調剤に関すること

外来処方せん枚数(院内調剤)(枚) 22,810
注射処方せん枚数(枚) 28,423
在宅療養用器材等交付件数(件) 20,793
院外処方せん枚数(枚) 277,343
保険薬局からの報告書等受付件数(件) 19,470

②入院処方箋に関すること

入院処方せん枚数(件) 334,624
注射処方せん枚数(枚) 230,022

③製剤に関すること

製剤総件数(件) 5,325
一般試験および水質検査件数(件) 241

④医薬品管理?医薬品情報に関すること

医薬品情報室への問い合わせ件数(件) 909
医療スタッフ等への情報提供件数(件) 335

⑤治験に関すること

治験薬受け入れ件数(新規)(件) 10

3)その他

①医薬品の安全管理体制整備

近年医療事故が多数報告され、残念ながらその多くが医薬品に関連したものとなっている。薬剤部では2011年から病棟担当薬剤師が病棟スタッフを対象に危険薬(ハイリスク薬)の取扱いについての教育?指導を実施してきた。2016年4月から副薬剤部長1名が医療安全対策部を兼務し、薬剤部長または副薬剤部長が医薬品安全管理責任者となり医薬品にかかる安全?安心の医療実現のための管理?啓発活動を進めている。加えて、医療事故防止の徹底を図るため2017年4月からは薬剤師1名が医療の質向上?安全推進センター専従となり、院内における医療安全推進?医療の質の維持/向上に貢献している。なお、2024年は、全職員対象に医薬品の安全?適正使用及び適正管理のためのweb講習会を行った。

また、2023年から薬剤部内に医療安全WGを設置し、薬剤部内で発生したインシデント及び他職種の関与したインシデントでも薬剤師が介入できるインシデントにおいて、再発防止対策の検討を行っている。

②チーム医療への参画

肝移植チーム、臨床腫瘍センター、ICT?AST、緩和ケア、NST、褥瘡対策、周術期管理(術前/術後)等への支援あるいはそのチームの一員として加わる形で積極的に参画し、適正な薬物治療の実践に貢献している。また他部門との連携として医療の質向上?安全推進センターや感染制御部に専従薬剤師を配置している。

③治験薬の管理

これまでの臨床試験センターが2013年4月からは"とちぎ臨床試験推進部"と組織改変され、2018年には臨床研究センターの一部門となった。さらに2022年4月から臨床研究部と治験推進部は1つの部門として統合され臨床研究?治験推進部となった。薬剤部では引き続き治験薬の保管や調剤等を通じて適正な臨床試験(治験)の運営に協力した。

④薬学実務実習生および研修生の受け入れ

2024年は? 国際医療福祉大学薬学部学生 合計21名(第Ⅱ期 5名? 第Ⅲ期 8名? 第Ⅳ期 8名)の病院実務実習の受け入れを行った?

⑤地域?僻地医療に対する貢献

公衆衛生の向上に寄与する目的から薬剤部への見学者の積極的な受け入れを行った。また、地域の薬剤師会や近隣の保険薬局と連携し、がん薬物療法、トレーシングレポートの活用等に関する研修会(Web)を実施した。

4.研究業績

【学術論文?投稿?書籍?ウェブ教材】

  1. 奥田泰考:がん薬物療法副作用管理マニュアル第3版:医学書院:2024年2月
  2. 奥田泰考齋藤賢宏三瓶祐貴品田 誠藤村昭太菅 留理小林直人中田雅人荒井大地中澤寛仁、山口博紀、今井 靖:がん悪液質に対するアナモレリン塩酸塩錠と体重増加関連因子の検討:癌と化学療法(0385-0684)51巻5号 Page529-533:2024年5月
  3. 三瓶祐貴奥田泰考品田 誠齋藤賢宏小林直人山下尊子中田雅人荒井大地大平実佳田村依珠美今井 靖:カルボプラチンベースの化学療法を受けた肺がん患者におけるパロノセトロン+デキサメタゾン(1日投与)+ホスアプレピタント+オランザピン2.5mgの有効性と安全性の評価:医療薬学2024;50(10):531-538:2024年10月
  4. 伊豆津宏二、今井 靖、桑名正隆、寺田智祐:今日の治療薬 解説と便覧 2024:2024年1月 南江堂
  5. Hitomi Y, Imai Y, Kuwabara M, Oba Y, KabutoyaT, Kario K, Makimoto H, Kohro T, Shiraki E,Akashi Nm Fujita H et al. Relationship between thenumber of drugs used during percutaneous coronaryintervention and adverse events in patients withcoronary syndrome Int J Cardiol Heart Vasc 2024Sep 12;54:101507
  6. Imai Y, Kusano K, Aiba T, Ako J, Asano Y, Harada Shiba M, Kataoka M, Kosho T et al. JCS/JCC/JSPCCS 2024 Guideline on Genetic Testing andCounseling in Cardiovascular Disease Circ J 2024Nov 25;88(12):2022-2099.

【学会発表】

  1. 奥田泰考:多職種で学ぶ胃がん診療:西日本がん研究機構 講演:2024年1月(大阪)
  2. 奥田泰考:がん薬物療法における薬剤師外来でのタスクシェアとアウトカム:高知県病院薬剤師会講演会 講演:2024年2月(高知)
  3. 奥田泰考:第10回がん専門薬剤師アドバンスト研修会 実行委員長:日本医療薬学会:2024年2月(web)
  4. 山本理栄、小島好子、亀田美智子、大枝優美、井上雅晶、飯塚由美子、皆川麗沙、稲田美和子、三瓶祐貴、山口博紀、大澤英之:自治医科大学附属病院がんサロンの活動続報-第10報-:第21回日本臨床腫瘍学会学術集会:2024年2月(名古屋)
  5. 中澤寛仁:日本臨床腫瘍薬学会学術大会2024 ランチョンセミナー 座長:2024年3月(神戸)
  6. 中澤寛仁: 日本臨床腫瘍薬学会学術大会2024 Basicセミナー 座長:2024年3月(神戸)
  7. 藤村昭太:抗がん剤とオピオイドによる悪心嘔吐対策-エビデンスに基づく標準治療の実践と限界-:第9回栃木県緩和支持療法研究会:2024年4月(web)
  8. 奥田泰考:徹底議論でガイドラインを読み解く 制吐薬適正使用ガイドライン2023:日本医療薬学会がん専門薬剤師全体会議 座長:2024年5月(神奈川)
  9. 奥田泰考:薬剤師外来におけるがん疼痛マネジメント~がん薬物療法中のかかわり~:第17回日本緩和医療薬学会年会メディカルセミナー2 演者:2024年5月(東京)
  10. 藤村昭太:シンポジウム17 地域で興そう 緩和支持療法関連研究会の開催ノウハウとその意義「病院薬剤師が地域研究会に関わる意義」:第17回日本緩和医療薬学会年会 シンポジスト:2024年5月(東京)
  11. 奥田泰考:がん免疫薬物療法マネジメントセミナーファシリテーター:日本臨床腫瘍学会:2024年6月(web)
  12. 藤村昭太:栃木県における医療用麻薬注射調剤 調整方法の実態調査:第29回日本緩和医療学会学術大会 ポスター発表:2024年6月(神戸)
  13. 山田 凜、桑原政成、小林直人今井 靖:高リン血症を有する透析患者に対するテナパノルの有効性と安全性に関するシステマティックレビュー及びメタ解析:第8回日本臨床薬理学会関東?甲信越地方会 一般演題:2024年6月(栃木)
  14. 奥田泰考:多職種で学ぶ胃がん診療:西日本がん研究機構 ファシリテーター:2024年7月(東京)
  15. 中澤寛仁:栃木県病院薬剤師会新人新任研修会 ファシリテーター:2024年8月(宇都宮)
  16. 奥田泰考:全員集合!!彩り豊かながん薬薬連携は患者を支援できるのか? ~突撃!となりの町の連携事情!!~:日本病院薬剤師会関東ブロック第54回学術大会シンポジウム 演者:2024年8月(埼玉)
  17. 奥田泰考:がん免疫薬物療法マネジメントセミナー ファシリテーター:日本臨床腫瘍学会:2024年8月(web)
  18. 中澤寛仁:栃木県病院薬剤師会学術講演会 座長:2024年9月(宇都宮)
  19. 三瓶祐貴奥田泰考品田 誠齋藤賢宏小林直人山下尊子中田雅人荒井大地大平実佳田村依珠美今井 靖:カルボプラチンベースの化学療法を受けた肺がん患者におけるオランザピン併用制吐療法とデキサメタゾン投与省略の有効性評価:第34回日本医療薬学会年会:2024年11月(幕張)
  20. 奥田泰考:薬剤師外来における薬物療法マネジメント:新潟県病院薬剤師会講演会 講演:2024年11月(新潟)
  21. 中澤寛仁:栃木県病院薬剤師会学術講演会 座長:2024年11月(栃木)
  22. 奥田泰考:がん免疫薬物療法マネジメントセミナー ファシリテーター:日本臨床腫瘍学会:2024年11月(web)
  23. 片野昌宏釜井聡子荒川祐輔若林宏海北畠智富、高久美子、飯田久子、新保昌久、今井 靖:筋弛緩薬の一時紛失を契機とした筋弛緩薬院内統一管理体制の抜本的改善:第19回医療の質?安全学会学術集会:2024年11月(横浜)
  24. 片野昌宏:第19回医療の質?安全学会学術集会 一般演題(ポスター)座長:2024年11月(横浜)
  25. 中澤寛仁:栃木県病院薬剤師会学術講演会 座長:2024年12月(栃木)
  26. 今井 靖:日本臨床薬理学会第8回関東甲信越地方会 会長:2024年6月(栃木)
  27. 今井 靖、佐田尚宏:今求められる病院薬剤部の診療支援拡充と課題 口述発表 Japan Digestive Disease Week(JDDW)2024 2024年11月(神戸)
  28. 今井 靖:ガイドライン解説 日本循環器学会 心臓血管疾患における遺伝学的検査および遺伝カウセリングに関するガイドライン2024 2024年3月(神戸)

5.2025年の目標?事業計画等

  1. 病院機能評価指摘事項解決に向けた取り組み
  2. 病院経営および医療安全への貢献
  3. 診療支援業務とセントラル部門の両立?充実
  4. 若手指導?教育体制の強化(将来を担う人材の育成)
  5. 薬薬?多職種連携を含めた地域?社会への貢献
  6. 専門職としての継続的な技術?学識の向上

6.目標の達成?実現に向けて取り組んだ概要と成果について

〇業務の運営方法の改善、安全で適正な調剤業務等の実施、患者?家族の満足度の向上等(2024年度の薬剤部のテーマは、「患者に質の高い有効で安全な医療を提供する」としており、目標の柱として「診療支援業務とセントラル部門の両立?充実」を掲げた。

①診療支援業務とセントラル部門の両立?充実

  • 病棟業務の質の向上{治療への参画、医薬品使用状況の把握(副作用、適応外、禁忌、未承認薬など)の継続}
  • 院外処方箋発行率増加に向けた病院、診療科への継続的な働きかけ(職員の院外処方箋発行へ移行)
  • 注射薬一施用調剤割合の増加よる薬品請求、定数配置薬の減少(供給業務の減少)
  • 周術期薬剤管理業務への取り組み(特に術前、手術室から病棟への連続性の確保)
  • 診療支援室担当者による処方鑑査の拡大による処方調剤業務の効率化
  • 特定の職員しかできない業務をなくすための体制構築
  • 調剤補助員の増加と非薬剤師による調剤補助業務の拡大(の検討)と構築

②若手指導?教育体制の強化(将来を担う人材の育成)

  • 新人研修プログラムを使用した教育およびタイムリーな評価、フィードバック
  • 薬剤部スタッフの基本的な業務能力の評価(調剤、調製、薬剤管理指導など)
  • 医療安全を意識した取り組みに対する評価
  • 薬学生、医学生、看護学生などの指導および他施設(病院、保険薬局など)からの薬剤師研修などの教育機関としての取り組み

③病院経営および医療安全への貢献

【病院経営】
  • 病棟薬剤業務実施加算取得の維持と病棟業務に関わる診療報酬の取得
  • 術後疼痛管理加算取得の維持
  • 採用医薬品数約2,000品目および後発医薬品シェア率90%以上の維持
  • 医薬品在庫管理の適正化(高額医薬品の院外処方の拡大)
  • 期限切迫医薬品/不動医薬品(廃棄する医薬品)をなくす取り組み(さいたま医療センターとの医薬品譲受体制の継続)
  • 病院経営に対する意識向上
【医療安全への取り組み強化】
  • 確認時の指さし呼称の徹底
  • 注射薬一施用調剤割合の増加
  • 診療支援室担当者による処方鑑査の拡充
  • 持参薬確認業務の拡大(緊急入院、休日入院患者への対応)
  • 薬剤管理指導件数の増加
  • 院内における筋弛緩薬管理体制の継続確認
  • 院内副作用報告件数の増加(薬機法 第六十八条の十の2)
  • プレアボイド報告件数の増加(日本病院薬剤師会の取り組み)
  • 病院の財源確保による薬剤業務の機械化、IT化の早期達成と医療DXへの備え(2024年1月電子カルテ更新、アンプルピッカー更新)
  • 薬剤部内医療安全WGの定期的開催
  • 病院として医薬品を安全に使用できるようにするための他職種への教育

④薬薬?多職種連携を含めた地域?社会への貢献

  • 保険薬局からの報告書(トレーシングレポートなど)への対応体制強化
  • 病院間フォーミュラリーの策定
  • 地域薬剤師会との連携強化(研修会、打ち合わせなど)

⑤専門職としての継続的な技術?学識の向上

  • 研修の充実(学会活動、認定専門資格取得など)
  • 事例検討、観察研究など部局内研鑽、研究活動の活性化と対外的な学術活動の強化
  • 各職種において総合的技術、知識の維持、向上と専門領域の陶冶
  • 薬を専門とする医療人としての責任感、矜持

7.これからの課題について

薬剤部の目標の大きな柱として「医療安全への取り組み強化と病院経営への貢献」を掲げている。薬剤師が薬物療法の妥当性(処方鑑査)を確認できる体制の整備を進めているところではあるが、国の方針でもある働き方改革による業務の効率化?勤務時間の短縮、産休?育児休暇の取得奨励等もあり、現状の人員で薬剤師に求められている業務量?質に対応するのは厳しい状況である。加えて病院内において医師からのタスクシフトを部分的に薬剤師が担うことが今後の医療全体の動向であり、それを見据えた体制作りが継続的な課題である。

しかし、病院経営への貢献も必要であり、病棟薬剤業務実施加算の算定、薬剤管理指導料の拡大は継続事業である。セントラル業務の整理とともに機械化等をすすめたいと考えている。

8.過去実績